だけど、この夢は、夢ではないんじゃないかと思うくらい、現実で体験したことがあるような気がしてきた。
いじめ殺し。
この言葉を知っているような気がした。
ここで、俺は目覚めた。
「夢だよな・・・?」
これは、ただの夢だと自分に言い聞かせるけど、それは無理やりだった。
アズキは、僕の腕の中ですやすやと、気持ちよさそうに寝ていた。
猫も、夢を見るんだろうか?
この世界に来た経緯さえ思い出せればいいのだけども、思い出しちゃいけない気もしてくる。
ここで、大量の殺人事件の映像が頭の中で、映像としてでてきた。
「うっ・・・・!」
僕は、自分の頭をおさえた。
「お前に、生きる権利はない。
今すぐ、ここで消えろ」
この言葉が、蘇ってきた。
何、これ?
聞いたことがある言葉だけど、恐ろしい言葉だ。
何で、俺、こんなことを言われているんだ?
思い出したいけど、思い出しちゃいけない気がする。
「あははっははっはは」
俺は、狂ったように笑い出した。
何で、笑っているかなんて説明できない。
そうか、元いた世界では、俺の同級生とか、先輩とか死んでんだ・・・・。
殺されたんだ・・・・。
俺は生き残ったけど、何で、そのことを忘れていたんだろう?
忘れていたというか、自分の中で、記憶を消していたんだ。
この異世界にいる限り、俺はこんな現実と向き合わなくていい。
つまり、元いた世界に帰っちゃいけないということだ。
「最悪なのです」
声がした方を見ると、ピンクのスカーフを三角結びに巻いて、赤のセーラー服を着たセミロングの緑髪の女の子がいた。
緑色のスカーフをスカーフ留めで固定して、茶色のセーラー服を着た紫髪ボブヘアーの女の子と、黒い学ランを着た青髪が背中まで長い男の子がいた。
そして、ピンクのショートヘアーで、赤いリボンに、ピンクのセーラー服の女の子もいた。
「君は・・・?」
「あたしは、佐倉《さくら》桜《さくら》と申しますのですわ。
桜魔法第一学校に通っていますのです。
中学1年生で、B組の炎属性なのですわよ」
と、緑髪の女の子。
「あたくしは、サクラ・エリザベスですわ。
桜魔法学校に通っていますわ。
同じく1年生で、クラスはA組ですのよ」
と、ピンクの髪の女の子。
「おいらは、櫻《さくら》ですぞ。
桜魔法第二中学校に通っていますぞ。
属性は水で、1年C組ですぞ」
と、青髪の男の子。
「あたいは、桜《さくら》咲良《さくら》でござる。
桜魔法第三中学校に通っているでござるよ。
1年D組で、木属性でござる」