眠り嬢マレディジオンは不思議な探偵助手 第3話

 転勤。
 あたしは、引っ越すのか。
 新しい環境に馴染めるかもわからないし、日本語に自信もない。
 日本語を間違えて話してしまうかもしれない。
 叔母や、いとこたちも一緒だけど、それで不安がぬぐえるわけじゃない。

 あたしは、アミーラちゃまや、ジーオ伯父さん、ディーオ叔父様を振り回してばかりいた。
 あたしは、いつまでも子供のままでいたいと思っていた。
 だけど、いつまでもそんなわけにはいかなかった。
 いつかは、大人にならなきゃいけない。
 そんなことを、あたしはわかっていなかった。

 

 飛行機でついた場所。

 あたしは、新しい環境に馴染めるのだろうか?

 

 あたしは探偵になるのかな?

 それとも、助手?

 

 不安な中、日本に来てから、最悪の女子グループにも会うようになってしまった。
 あたしとは、わかり合えない
探偵事務所の協力者。

 本名は知らないけど、呼び名はつけた。
 
 ライバル女。
 あたしの従兄が好きなために、なにかとあたしにいちゃもんをつけてくる。
 だけど、いじめ?と呼ぶようなことはしない正々堂々タイプ。
 身長百六十九センチくらいで、Jカップと言う見たことも聞いたこともなかった巨乳。

 いじわる女。
 あたしの従弟が好きで、嫌がらせをよく受けている。
 身長百六十八センチくらいのIカップというあり得ない巨乳。

 ヤンデレ女。
 とにかく病んでる。
 身長百六十七センチくらい。
 Hカップ

 ツンデレ女。
 素直にならない。
 身長百六十六センチくらい。
 Gカップ

 ギャル女。
 派手な見た目。
 身長は百六十五センチくらい。
 Fカップ

 清楚女。
 おっとり、爽やかファッション。
 身長は百六十四センチくらい。
 Eカップ

 クール女。
 ほとんど無表情。
 身長は百六十三センチくらい。
 Dカップ

 あたしは、背の高い巨乳たちに、威圧されている。
 従弟も、従兄も、好みのタイプなんて知らないけど、きっと巨乳の方が好みかも・・・?
 その根拠は、というとない。

 その上、パートナーになったのは、紫の魔物と牛姫とか、馬嬢って叔母に紹介されたけど、どうゆうこと?

 紫の魔物。
 見た目からして、受け付けない。
 叔母曰く「苦手なタイプとも、仕事をするのも必要」とのこと。

 牛姫。
 牛のお姫様。。

 馬嬢。
 馬のお嬢様。
 
 あたしに、本当の意味での味方なんていなかった。
 いいもん。
 あたしは、この家族とは何の血の繋がりもないし、養子だから。
 だけど、近くに義理の両親や義きょうだいがいないことは気がかりだった。

 

 あたしの味方は、どこ・・・?

 そんな気持ちで、外を歩いていたら、ポスターが見つかった。

 指名手配犯のポスターだ。

 

 そこで見つかったのは、トゥリメーステレ、ジーオ伯父さん、ディーオ叔父様、アミーラちゃまだった。

 

 これって・・・!?

 

 

 クウォーターエルフという研究所からの逃亡者に加担した罪と書かれていた。

 

 あたしは、その場に座り込んだ。

 どうゆうこと?

 

 あたしは、何故この人たちを置いて日本まで来たの?

 来たんじゃない。

 あたしや、その家族を守るために、自分のことを犠牲にしたのかもしれない。

 

 

 あたしは家に帰るなり、叔母に問い詰めることにした。

 

「どうゆうことなのですか?
ジーア叔母様」

 ジーア叔母様は、ジーオ伯父さんの妹に当たる。


「帰ってくるなり、急にどうしたのさ?」

「どうしたも、こうしたもないのですわよ。
あの指名手配犯のポスター、明らかにジーオ伯父さんと、ディーオ叔父様じゃないのですか?」

「話をはしょりすぎよ。
ちなみに、国外では警察に追われる身なのよ」

「警察・・・?」

 話がついていけない。
 警察なんて、どうゆうこと?
 

「トゥリメーステレを逃がしたことがいけなかった。
組織が、彼女を取り戻そうとして、それを阻止したのが、誰なのか言うまでもないだろう。
これ以上のことは、語りたくない。
ショックだから・・・。
他の罪も、なすりつけられて・・・」

 ジーア叔母様は、涙を流した。
 普段、泣くことがないジーア叔母様が・・・。

 あたしは、追求する気になれなくなっていた。

 後日、風の噂で聞いた話によると、トゥリメーステレ、ジーオ伯父さん、ディーオ叔父様は死刑になったと聞いた。

 
 あたしは、わがままばっかり・・・。
 ジーオ伯父さんや、ディーオ叔父様に申し訳ないことをしたことに後悔した。
 せめて、最後ぐらいはいい思い出作らせてあげたかった。

 

 ここで、あたしはある決意をした。
 あたしは、立ち向かわないと。
 誰も何も悪いことなんてしていないし、家族ぐらいは信じられるようにしたい。
 あたしにできることは、きっとあの理不尽から救ってあげることだと思ったから。