ハッピー・ヴァンパイアデイ

 私は、キャリーナ。
 身長149センチ。
 前髪ぱっつん。
 背中までの長い髪を、両方に小さく三つ編みにしている。
 左目を黒い薔薇型の眼帯で隠す。
 右目の下には、ほくろがある。
 姫カットで、横の髪を揃える。

 黒のセーラー服に、白のスカーフを巻く。
 背中には、白の小さなユニコーンのぬいぐるみリュックを背負う。
 その上に、黒のケープマントを羽織る。
 紫の薔薇の刺繍が入った黒のマフラーを首に巻く。

 スカートは、黒の膝上ティアードスカート
 ベージュのタイツの上には、網タイツを履く。

 厚底のニーハイロングブーツを履く。

 帽子は、魔女をイメージさせる黒のトンガリ帽子。

 姉1人、妹1人いる3姉妹の中間子。

 好きなことは、食べることで、スイーツと肉が特に大好物。
 趣味はお人気遊び、おままごと、植物や虫の観察、ヒーローごっこ、シャボン玉、縄跳び、けん玉。

 キャリーナは、人間ではなく、吸血鬼だ。

 

「やだあ、やだっすぅ」

 キャリーナは、ひたすらに駄々をこねた。

「キャリーナは、お野菜とか食べたくないっす!」

 いつもキャリーナのお世話をしてくれるのは、キャリーナよりも背が高い従弟のキャリーノだった。

「キャリーナちゃんは、わがままだなあ」

「ママみたいなこと、言わないでほしいっすよ。

お菓子をくれないと、キャリーナがイタズラしちゃうっす」

「わったよ。

何が食べたいんだ?

お菓子か?」

「ううん。

ステーキとか、ハンバーグっす」

「何だ、それ?」

「キャリーナの好きなものだから」

「キャリーナは、お子ちゃまが抜けてないような…」
 
「いいの」

 人間だった頃は、パパやママに遊んでもらったことなんてなかった。

 吸血鬼になってからは夜しか活動できないという不憫なところはあっても、こうして誰か遊んでくれる人がいる。

 従弟のキャリーノも、従兄も、叔父さんや、伯父さんだって、みんながキャリーナの相手をしてくれる。

 美味しいご飯を作ってくれる、デザートも用意してくれる。

 昼間は棺桶の中で窮屈だけど、いいんだ。